第4章 日向ぼっこ
「体毛がないからかな?」
「あるよ、体毛……。さすがにベポくんほどじゃないけど……」
ベポくんいわく『柔らかくない太もも』のお詫びに頭を撫でることにした。というのは建前で、短パンを履いているわたしの足に直接当たるベポくんの毛を触りたいだけだ。
海水や潮風でパサついてはいるけれど、ぬいぐるみのような手触りとお日様の香りがするようなその毛はとても魅力的。
「あ〜寝れそう……」
「寝てもいいよ〜」
優しく毛を梳くように撫でていると、ベポくんは気持ちよさそうにしながらピス〜ピス〜と鼻から音が鳴り始め、ついには口を開けて寝始めた。
か、可愛い、、、
艦内での作業をする時とかに「おれのほうが先輩だから!リア、おれの言うこと聞くんだぞ!」と張り切る姿も頼もしく可愛いけれど、こんな無防備に寝てる姿……可愛い〜!
ベポくんが寝たあとも撫でていると数分後に誰かが「あ〜!!ベポだけズリィ!」と大声で叫んでその声にこちらに気づいた何人かのクルーがわたしたちのほうへ駆け寄ってきた。
その音で鼻ちょうちんまで出始めていたベポくんはパチン!と鼻ちょうちんを割り、目を覚ました。
「ベポだけなに膝枕してもらってんだよ!」
「おれらもリアに膝枕されたい!」
と口々に言い始め、その騒ぎを聞きつけたイッカクちゃんは「アタシはいつでもしてもらえるから」と鼻高々にしていた。
そしてその発言を聞きつけた面々は「それもズリィ!」と言い始めた。
「わたしの膝で良ければ貸すよ」
「「「まじで?!」」」
わたしの膝なんかで、『柔らかくない太もも』で満足していただけるのであればいくらでも貸しましょう!
他にみんなの為に出来ること、わたしにはまだ少ないし、必要としてもらえるのは単純に嬉しい。
「おれ時計持ってくる!」
「誰から行く?」
「おれまだリアからどかないよ?」
「どけよベポ!!」
やいのやいのと言っている間にハクガンくんが本当に時計を持ってきた。
「1人何分にする?」
「あんま長いとリアがしんどいよな」
「既に重たいベポの頭がのってるしな」
「おれらも全員がここにいたらダメだしな。3分とか?」
「短ェ〜!でも良い!」