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【OP】GIFT

第3章 上陸




あ、なるほど。
ローくんはそういったお店に行くのかな?と思っていたけれど、多分彼の場合は『行く』のでなく『連れて行かれる』んだ。
こんな男前、綺麗なおねえさん達が放っておくわけが無い。
経験はないし、勝手な偏見ではあるけれど好きでもない人と交わるのであればそりゃあカッコイイ人がいいよね。


さて、わたしはどうしよう。
口に出すことでは無いだろうけれど、きっとローくんだってそういう、その、ね、処理?というか発散?はした方がいいもんね。


わたしに気にせず行ってきて!って言うほうがいい?それともこのまま気配を消すように人並みに紛れて離れていく?


女性たちに囲まれているのをもう一度見て声をかけるのは憚られたので何も言わずに離れようと意を決した途端、「リア!」と大きな声で名前を呼ばれて思わず元気に「はい!!」と返事をしてしまった。
ハッ!と両手で口を覆うと、その手をひったくるように掴まれ、そのままローくんの胸へと誘われ、手が離されたかと思うと肩を抱くようにガッチリと抱きしめられた。


「……連れがいるから結構だ」


ぎゅう、と痛いほどにローくんのコートへと押し付けられる。


その言葉と行動におねえさん達は「なぁ〜んだ」と言って立ち去って行く。


しかしわたしが解放される様子がない。


さすがに息苦しくなってきてローくんの背中をポンポン、と叩いてアピールすると一拍置いてゆっくりと解放された。


「っはあ、!」
「………お前どこ行こうとしてた」
「え?分かってたの?……どこって訳じゃないけど、わたしがいたらローくん、おねえさん達のお誘いにノれないかと思って離れようと」
「すんなそんなこと」
「でも……その、男の人には必要なことでしょう?」
「…おれには必要ねェ」
「……と、言いますと……あ、そういう、、」


もしかしてローくんはその、そういうことに興味無いとか以前の……と口に出せないでいると何を感じとったのか、「おい、違う、そっちの意味じゃねェ!」とローくんが眉間に皺を寄せて否定の言葉を口にした。


「や、やあ、わたしはその、知らないからその、そっちとかこっちとかは……」




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