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【OP】GIFT

第3章 上陸



流石にいちいちどこにどの店があるかなんざ覚えていない。自分の目的の店であれば探して覚えているが、全部を覚えたところで明日にはまた必要が無くなることだ。


おれの返答に「そう?」と不思議そうにしたリアは「じゃあご飯屋さん探しながら行こっか」と言った。














ローくん好みのご飯屋さんを運良く見つけることが出来、そこでお昼ご飯を済ませたのだけれど、そこでもローくんが「必要経費」と言ってお会計をしてくれた。
せめてワリカン!と言ったけど、「おれに恥をかかせる気か?」と言った時と同じ顔をされたので大人しく「ご馳走様です」と言って、今は船に戻りつつ、ウィンドウショッピングのようにお互いのみたいお店を見ながら歩いてた。


と、そんなところで。


「おにいさん、」

と綺麗な女性がローくんに話しかけた。

ローくんは自分のことだと思っていないのか、その呼び掛けには応えず変わらない様子で歩みを進めようとした。
けれどその綺麗な女性が今度は声だけでなく、ローくんの左腕に自分の右腕を絡ませるように、そして体を押し付けるようにしながら「おにいさんってば」と言う。


1歩右斜め後ろを歩いていたわたしは恐らく連れだとは思われていないのだろう。


ハッ!もしかしてこのおねえさん……しょ、娼婦さんでは……?


勝手に一人でドキドキと胸を鳴らす。綺麗な女性の身なりやスタイル、そして仕草ひとつにも妖艶さが滲み出ていて、同じ性別であるはずのわたしですら赤面してしまう。


「良いお店、お探しじゃないかしら?」
「探してねェ。歩きづれェ。離れろ」


おねえさんの妖艶さが見えていないのか、上から見下ろすように、そして体を離そうとローくんが腕を引こうとしている。
けれどそれを何ともないようにおねえさんはよりグイグイと自分の体をローくんへ寄せる。
そうしているうちに他の方向からもまた別の綺麗な女性が同じように近づいてくる。
そして同じように声をかけて、先にいた女性と同じ方向へとローくんを導こうとしている。




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