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【OP】GIFT

第3章 上陸



「そんな中でお前とイッカクが同じ帽子かぶってたら紛らわしいだろ」
「ローくんって皆のこと帽子で認識してるわけじゃないよね?」
「ンなわけないだろ。ただ目印にはしている。他の奴らもそうだ。だからお前の帽子は別に買いに行く」


まあ、言い分は分からないでもない。確かに街や人が多い中で見つけるにはいい目印にはなるかも。そう考えているとすぐに返事をしないわたしに念を押すように「船長命令だ」とローくんが言った。別に渋っていたわけじゃないけど……「アイアイ」と返事をすると満足そうに彼は口角を上げた。











「リア、まだ日数聞いてなかったの?」
「うん。今までログなんて気にしたこと無かったから……」


ローくんを待っている間にパーカーとトレーナーを洗いながらベポくんとお喋りをする。
冬島のようだけど、今日は快晴で夏のようにはいかないけど洗濯物も乾きそうでちょうど良かった。


「次の島に行ってそこで暮らして、また次の島に行くっていう時は配送船に乗せてもらったりとか、決まったルートを行く船に乗ってたからまだログポースを気にする習慣が無くて」
「それもそっか〜。この島は2日って言ってたから明日の午前中くらいにはもう出港するよ」


そう言いながら「しぼろうか?」とローくんの服を指さしながらベポくんが言うのでトレーナーの方を差し出すとすごい力でしぼりだしたので慌てて途中でストップをかけた。そんな力でしぼったら服が傷んでしまう……!


「次の島はもう少し暖かいところだといいなあ」
「え〜おれは全然これくらいでもいいけど」
「ベポくんは寒いところの方が得意なんだっけ?」
「おれはっていうよりこの艦、北の海出身のクルーが多いから割と寒いの大丈夫じゃないかなあ」
「そっか〜。でも日向ぼっこするのは春島とかが良くない?」
「あ〜それはそうかも」


洗ったローくんの服をハンガーに掛けて干す。大人数の洗濯物では無いので、普段イッカクちゃんやわたしの下着類を干すスペースで。


「おれ、いつもキャプテンの枕になるけど、誰かに枕してもらったことないんだよなァ」
「そうなの?」
「うん。小さい頃はあったかもだけど……」


それもあまりハッキリ覚えてないや、とベポくんがしょぼん、とする。



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