第3章 上陸
ローくんは早速、本を取りに行ってくれたのでそれを待つ間に服類の整理をする。
イッカクちゃんに勧められたのもあるけど、なんだかんだ服が多くなってしまった。
こんなに服があるのはいつぶりだろう?靴も今履いてる分だけでなく、街などの整備があまりされてない島でも安全にかつ動きやすいようにと勧められたブーツや、街を散策したりするときのオシャレ用の少しヒールのあるパンプスとかも買った。
全てハートの海賊団のお金で買ったものだから本当に大事にしなきゃ。イッカクちゃんは「みんな必要なものは必要経費ってことで団の金で買ってるから大丈夫よ!」と言っていたけど……。
わたしはまだ1人の時に働いてた分のお金があるけれど、皆は財宝や他の海賊から勝ち取ったものなどからお小遣いとして支給されるものを使うらしい。
どのお宝が欲しいか、どれが高く売れるかを見極めていくのも楽しいと言っていた。
わたしにもいつかそういうことを楽しめる時が来るだろうか…。
と、考えながら整理しているとベビードールが出てきた。
買った黒のベビードールはフロントホックタイプで、ノンワイヤーながらも思ったより胸を綺麗に形取り支えてくれるもの。しかし如何せん、布自体は薄いから乳首が薄ら透ける。
そして揃いのTバックが……付属で……Tバックも履いたことないよ……!
全体的にレースが施されたシアー素材だからスッケスケ。胸より下は布が多少重ねられている胸部分と違い、1枚で柔らかいフリルを表現しているような作りでモロにスッケスケ。なんなら背面部分はがっぽりと空いている。
………う、わあ、、、これもイッカクちゃんにオススメされたものだけど……これを自分が着るのかあ……。
下着の上から試着してみたものの、これは…………う〜ん……
コンコン、
今度こそ聞こえたノックに返事をするとすぐに扉が開かれた。
その扉の方へわたしもすぐに駆け寄る。
「多分これが1番読みやすい」
「ありがとう。大事に扱わせて頂きます」
ローくんから本を受け取ると、彼がわたしの背後に視線を送っていることに気づき、その視線を辿る。
「……!」
条件反射のように扉の方へ駆け寄ったせいで、ついさっきまで持っていたベビードールをそのままベッドに放り出してしまっていた。