第3章 上陸
迷惑かけちゃったし、それは仕方ないか。今までだって一人で島を回ってきた、なんて言っても今日のことがあったら説得力ないよね。大人しく甘んじて心配を受け取るしかない。
「そうは言ってもあんたたちとは行けないでしょ。娼館行くっしょ?」
「「イッカク!!」」
「しょう、かん?」
「いや、リア、あのね」
「娼館ってのは娼婦っていう」
「……ああ!娼館!」
コソッと話していたつもりだけど、前の2人にも聞こえていたのか、イッカクちゃんが口を挟む。
パッとは思い浮かばなくて言葉を繰り返してしまったわたしにイッカクちゃんが説明しようとしてくれたけれど、娼館なら馴染みはなくとも知っている。どの島にもいろいろあるみたいだし、海賊の人が寄港した島でそういったお店に行くのも、酒場で働いていたから聞いた話だ。
そっか、やっぱりみんなそういうの必要としてるよね。
「大丈夫、その、男の人たちには必要だもんね」
「って言いながら顔めちゃくちゃ赤いじゃん」
ペンギンくんに指摘されて余計顔が熱くなる。
分かってはいても、そういった話に免疫がないのは自分でもよくわかっている。経験がない故にそんな当たり前のように、当然のようにという振る舞いができない。どうしても変に意識してしまう。
「……リア、娼館ってね、何も男しか行っちゃダメってもんじゃないのよ」
「うん??」
「待てイッカク、何を言う気だ?」
シャチくんが止めるのも厭わずイッカクちゃんは続ける。
「男娼もいるんだか」
ングッ、とイッカクちゃんの口はペンギンくんの手により止められた。
だ、だん、しょう、、、
「何教えてんだイッカク!」
「リアにはまだ早い!」
「てかイッカクお前だって時々行ってんだろ!
シャチくんとペンギンくんがやいのやいのと言っているけど、イッカクちゃんは気にしてないようだった。
「ってことだから街回りたい時はアタシと行こ〜ね」
パチッとイッカクちゃんにウィンクを決められた。
せ、セクシー……!!