第3章 上陸
「あ、待って。ランジェリー入ってるから」
イッカクちゃんの突然の発言にわたしは驚きとともにその言葉を制止することが出来なかった。
「「は?!ランジェリー?!」」
わたしたちの驚きを他所にイッカクちゃんは「だからさすがに自分で持つわ」とシャチくんから荷物を自分の手に戻した。
「そんな大きな声でランジェリーなんて言って、あんたたち周りの目気になんないの?」
「は、はァァァ??お前のせいじゃねェェェかなァァァ???」
シャチくんが変なキレ方をし始めた。
それに対し、イッカクちゃんは「リアも買ったから。どエロいベビードール」とわたしに火の粉を飛ばしてきた。
え、なんで言っちゃうの……?
バッ!とペンギンくんとシャチくんがわたしを見る。
「「まじで?」」
「ぇ、いや、あの………………ま、じです……」
ここで買ってないなんて言うのはイッカクちゃんを嘘つきにしてしまう、でも恥ずかしくて言いたくない、という葛藤が出た。
想像されて「似合わない」と思われるのが恥ずかしい。似合わないのに買ったんだ、みたいな。
それを言うとまるでこの2人が人のことをそんな見方するタイプって言ってるような感じでそれもそれで違うから嫌なんだけど…!
「っは〜ん!!そっか〜〜〜〜見たいな〜!!!」
「いや無理だろ、シャチ」
「あんた達に見せるわけないでしょ」
3人はそう言いながら艦へと歩きだす。
イッカクちゃんはわたしのようにモジモジと恥ずかしがったりしないで堂々としていてカッコイイな。
道の邪魔にならないように前後に2人ずつ横並びで歩く。わたしの横にはシャチくんがいる。
「リア、体調は大丈夫か?」
気を遣ってくれているのか、シャチくんがコソッと耳打ちする。
「うん、ご迷惑おかけしました。残りも食べてくれてありがとね」
「それはいいって。おれは奢ってもらって美味しい思いしただけだし」
思い出すのも恥ずかしいけど本当に助かったから……食べ物を無駄にしたくないし。
「しばらくリアは1人で出歩けないかもな」
「え、なんで?」
「ああいう時に1人だと困るだろ。キャプテンも心配するだろうから艦降りるときは誰かと一緒にいるよう言われると思うぜ」
「そっか」