第10章 勘違いで嫉妬されてみた
Bad Ass Temple
波羅夷空却
「…おい、鈴森。誰だソイツ?」
後ろから腕を引いて貴方を睨みます
突然の事に慌てながらも答える貴方
『く、空却…。友達だよ?』
どもってしまったのが怪しく見えたのか
「ほ〜…曖昧に隠してんじゃねえよ。」
とニヤッと笑いながら詰めてくる彼
友達が二人の間に入ります
「お前はちょっと黙っ」
『女の子です!…友達、女の子。』
それを聞いてフリーズしてから溜息をつきます
「……拙僧が早とちった。鈴森。友達も、怖がらせてすまねえ。」
謝る彼に首をブンブン振る友達に彼は軽く背中を叩いて笑いました
「お前良い奴だな!じゃ、拙僧は帰るわ。」
手を上げて帰っていく彼に、忙しい人だね、と笑っている友達でした
四十物十四
「鈴森ちゃ…ん?」
目を潤ませながら手をひいてきました
今にも泣きそうな彼に慌てる貴方
『ど、どうしたの十四?』
「……その人誰っすか…。」
今は彼も貴方の事で真剣だからどもりません
『え、友達…だよ?』
「……男の人?」
それを聞いて友達と貴方は顔を見合いながら2人して笑ってしまいまた
『女の子だよ。』
聞いた途端目を丸くする彼
「え…、凄い。僕よりかっこいい。…ふ、服どこで買ってるっすか?」
緊張より友達の服が勝ったらしいです
天国獄
「おうおう、俺悪ぃとこに出くわしたか?」
頭をかきながら貴方達の前に歩いてきます
首を傾げる貴方に彼は不機嫌そうに溜息をついてから貴方の目を見て言ってきます
「鈴森、ちょっとは隠そうとしろよな。それとも俺とはバレていい、薄い関係だったのか?男と出かけるとか俺は聞いてねえぞ。」
初めてそこで意味を理解した貴方は彼の手を握りながら慌てて言いました
『いやいや…、女の子だから!』
それを聞いて友達と貴方の顔を見る彼
友達はニコッと微笑んで頷きました
途端に溜息をついて顔を手で隠します
「はぁぁ…マジかよ。…すまねえな。友達さん。あー、マジかっこ悪ぃ。」
顔を真っ赤にして友達に謝る彼を見てニコニコしていると強く頭を撫でられます
「……お前も、疑ってすまん。」
『そうだよ。獄さん一筋だよ。』
貴方がそう言うと友達も彼も無言に
撫でられていた手で軽く叩かれました