第10章 勘違いで嫉妬されてみた
どついたれ本舗
白膠木簓
「あれぇ〜?よぉ見たら鈴森やん。……そちらさんは誰かいな。」
そう言って近づいてくる彼
友達も彼を見つめて口をポカンと開けています
『簓!…友達だよ!』
「ほぉー。通りで気づかんかった訳や。鈴森が男と居るなんか思わへんからな。」
ニコニコ笑いながらそう言う彼に貴方は首を傾げてから意味を理解し誤解を解きます
『違う違う!…女の子だから!』
それを聞いて薄く目を開く彼
「え、えぇぇえ!?ほんま!?うわ、恥ず…。ごめんな姉ちゃん。失礼やったな。」
芸人としてバッチリのリアクションをしてから友達に謝っています
友達が笑って首を横に振ると
「ほーんま…失礼してもたわ。」
と珍しくズーン…と沈む彼でした
躑躅森盧笙
「……鈴森?今日は友達とやなかった…?」
貴方の顔を覗き込んでくる彼
貴方は驚きながらも返事をします
『友達とだよ?』
「あ、そうか。…女とは言ってへんかった。」
と呟く彼
それに気づいた貴方は慌てて否定します
『違う違う!女の子だよ!』
その声を聞いた彼はハッとした顔で友達を見てから謝りました
「…ほんっますまん!!教師あるものごっつい偏見で決めつけとったな。反省や……。」
落ち込む彼に友達は慰めています
落ち着いてから貴方達と別れた彼は小さく
「……ええ友達居るなぁ。鈴森。」
と言っていました
天谷奴零
「んー?鈴森ちゃんじゃない。……こっちはこの前言ってたお友達?」
後ろから話しかけられて少し驚く貴方
友達は本気で驚いています
『そう、友達!』
「へぇ…どうも。しっかし…、上手く隠せるようになったんだなぁ。男と出かけるとか。」
サングラスの奥で笑っていない目を見て貴方は慌てて否定します
『あ、え?女の子だよ?』
それを聞いた彼は少し驚いてからサングラスを外して友達の顔をマジマジ見つめました
「あ〜…、ほんとだ。良く見たら女性らしい可愛い顔してる。ごめんね?」
近すぎる距離に貴方が軽く彼を押しのけると彼は嬉しそうに微笑みます
「ん?ああ、俺は鈴森ちゃん一筋よ。」
『私も、だから!!』
その光景を見て悪い人じゃないんだなぁ…、と分かって微笑む友達でした