第10章 勘違いで嫉妬されてみた
麻天狼
神宮寺寂雷
「鈴森。前言ってたお友達かい?」
貴方の肩に手を置いて微笑む彼
彼女にも和やかに挨拶をする彼
「いつも鈴森と仲良くしてくれてありがとうございます。この子は少しお転婆だからね。しかし私も男だからね…。友達でも男性なら嫉妬してしまうな。」
眉を下げながら笑う彼に貴方達2人は首を傾げ
『女ですよ?』
と言うと彼は顔を赤くしてしまいました
「そうか。失礼な事を言ってしまいました。」
口元を手で隠す彼に友達は首を横にふります
「…ふふ。君は優しい友達を持っているんだね。」
そう言って軽く頭を下げて貴方達から離れます
そして帰り道を歩きながら考えます
(後でもう一度鈴森を通して謝らせてもらおう。…嫌われてないと良いんだけど。)
伊弉冉一二三
「鈴森ちゃん。隣の方は?」
後ろから手を引いて聞いてくる彼に驚く貴方
『一二三?ああ、友達の…。』
「男性とは聞いていなかったな。これには僕も少し嫉妬してしまったよ。」
少し眉を潜めて言う彼に貴方は慌てて否定します
『違う!女の子だよ!』
彼は貴方の言葉を聞いて目を開きます
そして少し黙り込んでから友達を見ました
「すみません。クールな顔立ちでしたので…。綺麗なお嬢さんですね。」
ニッコリ笑顔で言う彼に友達も笑います
彼は友達に名刺を渡しました
「良ければいつでもおいで。うちの子達は皆良い奴ばかりだからね。」
そう言って去っていく彼
しかし内心自分を責めまくっています
(女性を男性と間違えるなんて失礼にも程があったな…。鈴森を疑ったのも謝らなければ。)
観音坂独歩
「…鈴森、何してるんだ……?」
後ろから声をかけられ振り向いた貴方
彼を見て嬉しそうに微笑みます
『あ、独歩!友達だよ!』
「……そうか。今日出かけるって言ってたもんな。こんな綺麗な男の人と…。俺なんか俺なんか……。」
ショックすぎてバグった彼を貴方の友達も驚いて見つめています
『ち、違うよ!女の子!』
慌てて否定した貴方を見つめてきます
そして貴方の友達へ向き直る彼
「え?…うわぁあ!!ごめんなさい!!失礼な事言っちゃってごめんなさい!!」
土下座をしそうな彼を必死に止める友達
友達は貴方に彼を送ってやれと言いました
笑って別れた友達を見ながら思う彼
(やっぱイケメンだな…。)