第2章 依頼人
ショッピングモールをあちこち見て回り、特に何も買わず、帰路についた。その間、ムラサキさんはずっと無表情のままだった。
や、やりずらい…
「ハマトラって皆さん、ミニマムホルダーなんですよね?ムラサキさんはどんなミニマムを持ってるんですか?」
「お前に言っても多分、分からないだろ」
「そ、そんな事ないですよ!!分かります!」
ムラサキさんの言い方にムカッと来た私は言い返す。私だってミニマムを持っているから。
「何故だ?」
「えっ…と、勉強しましたし!知り合いにだってミニマムホルダーいますし!」
「はあ…」
何故かため息をつかれた。子供っぽく言い返したことに呆れたのかどうかは分からないが、それでも言い返したかった。
「後で教えてやる」
「あ、後でって!そう言って教えてくれないんですね!」
「別に今じゃなくていいだろ?後でちゃんと教えてやる」
「ほんとですね?!」
「あぁ」
「約束ですからね?!」
「しつこいぞ」
どうやら嘘をつくつもりはないらしい。さっきまで怖いなどと思っていたが、いつの間にか消えていた。