第6章 キスの効果
「向こうは向こうでやってるんじゃないか?」
するとナイスの携帯が鳴った。立ち止まり、着信相手を確認するとアートからだった。多分、さっきの住所の話だろう。
『場所が分かったよ』
「どこだ?」
『…ファクルタース学園だ』
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「何故、あの教師はこんなところに住んでるんだ」
「まあ、理由はともかく分かりやすいところで助かった」
アートに教えてもらった場所。自分も馴染みのあるファクルタース学園。ここで一体なにをしているのか…ヒカリをどうしようと言うのか。
「レシオ達にも伝えといた、そのうち加勢に来てくれるってよ」
「そうか」
「…ここは嫌い…でもヒカリがいる、助ける!」
考えてる暇もなく走り出し、建物の中に入る。入り方は…強引に窓を撃ち破り入るしかなかった。
「何も変わってないな、ここは」
辺りを見渡してもあるのは部屋ばかり。どこにヒカリがいるのか分からない。どうしたものか。
「ナイス!ムラサキ!」
急に名を呼ばれたかと思えば、レシオ達が走ってこちらに向かっていた。
「ヒカリがどこに居るか分かったわ!さっき見たら動きがあったのよ、ヒカリは地下にある一番奥の部屋よ!」
ハニーの指示通りに地下に行く階段を降りる。…が、やはりと言うべきか監視役のミニマムホルダーに出会した。
「ここは俺達に任せろ!」
「パパッと片付けて行くからよっ」
「あぁ、頼んだ!」
レシオ達にミニマムホルダーを預け、奥へ奥へと進んで行く。奥に行くにつれ、監視役も少なくなり、一番奥の部屋にたどり着いた時には誰一人いなかった。