第6章 キスの効果
「ムラサキ」
「…なんだ」
「悔やんでる場合じゃない、早くヒカリを探さなきゃだろ」
「そうだな…」
ナイスに喝を入れられ、気持ちの整理がつく。今は悔やんでる場合ではなく一刻も早くヒカリを見つけ出さなくてはいけない。
「他の皆さんも呼びますか?」
「そうだな、呼んできてくれ」
「了解です!」
コネコはすぐさま駆け出して屋台のある通りに出ていった。
「ナイス、七不思議の時の依頼、覚えてるか?」
「あーあれね、それが?」
ナイスに前、ヒカリに聞いた世界を滅ぼす力のことを話した。その話でなんかしら心当たりがあるらしいナイスはパッと顔を上げた。
「そんな力、欲しがるのは一人しかいないだろ?」
「…あの教師だな」
「でも、その人どこにいるの?」
はじめの意見はもっともだ。だが、ナイスはそれでも薄く笑う。
「アートに協力してもらおう」
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「学校の教師の住所?」
「あぁ、頼めるか?」
アートを無理矢理呼び出したナイス。若干不機嫌そうな顔をしつつもアートはきちんと話を聞いている。
「それをする理由をお願いできるかい?ナイス」
「誘拐だ」
「誘拐?」
アートにもさっき起きた事件とヒカリについての話を簡単に説明した。
「ヒカリさんにそんな力があるのか?」
「ヒカリ本人はそんな力はないと言ってる」
「何かやらかす気か…?」
アートも何か思い当たる節があるようなので聞いてみた。アートの方ではミニマムホルダーが大量にいなくなる事件について今、当たっているらしい。
「それと関係ありそうだな」
「…分かった、調べてみよう」
アートは署に戻り、俺達は出来るだけあの教師を見付けられるよう、あちこち見て回った。
「ところでレシオやハニー達はなにしてんの?」
「さあな…」