第6章 キスの効果
その後、たこ焼きやリンゴあめ、焼きそばに射的、輪投げなど沢山回った。どれも初めてのものばかりなのか楽しそうに遊んだり、食べたりしていたヒカリだった。
「楽しいですね!ムラサキさんっ」
「そうだな」
ヒカリがこちらに振り向き、笑顔を向ける。…が少し気になったことが。はしゃぎ過ぎたのか浴衣が少し着崩れていて鎖骨、胸元が覗いていた。
「ひ、ヒカリ!」
「なんですか?」
「ちょっこっちにこいっ」
「?」
ヒカリ自身気がついていないのか不思議そうに近寄ってきた。
「前がだらしない…」
「あーいつの間に…」
着崩れをどうにか直し、再び屋台を見て回る。他のハマトラメンバーもそれぞれ楽しく過ごしているようだ。
「もうすぐ花火もあるらしいぞ」
「おぉ!見に行きましょう!」
奥に行くと河川敷があり、その上から花火を眺めると言うものだった。
「ムラサキさん」
「ん?」
「お手洗いに行ってきますね?すぐ戻りますから!」
「あっおい」
有無を言わさず駆けていったヒカリ。その後、ヒカリが誘拐されるとは知らずにただ、俺は呑気に空を眺めていた。