第6章 キスの効果
「そ、そのうち着る機会もあるだろうから今度な」
「そうですね、また今度にとっておきます!」
《ムラサキside》
浴衣姿を見てみたいと言われ、内心ドキドキしていた。もう、これは向こうにも気があると考えていいのだろうか…。
目的の神社に着いた時にはナイス達、ハマトラは来ていてハニーやスリーもいた。呼んだのはヒカリだな。
「あ!ヒカリ」
「はじめちゃん、来てくれてありがとうっ」
「お祭りだしヒカリもいるから」
「ふふっはじめちゃんはどうせ屋台が目的なんでしょー」
「それもあるけど…」
図星をつかれたはじめはもごもごと口ごもる。
「やっぱ、女子がいないとこうゆうのは盛り上がらないよな~」
そう言うとヒカリの手を取ってバースデイは言う。
「浴衣姿も可愛いねえ~お嬢様は~」
「ありがとうございますっバースデイさん」
無償に腹が立つ。ヒカリに触れていいのは俺だけ…じゃなくて。こうゆうのを独占欲と言うのか。それより、このままではバースデイがヒカリをエスコートしかねない。
「ヒカリ、行くぞ」
ヒカリの左手を握り、バースデイから奪うように神社に入る。
「バースデイ、からかうのはよせ…」
「いや、だってさ~あれ、絶対好きでしょっ彼女のこと」
「ヒカリは男と恋愛なんかしたことないから気付かないでしょうね」
「ムラサキさん、頑張って!」
後ろで喋っている奴らの会話は祭りの喧騒で聞こえなかった。
「ムラサキさんっどこに行くんですか?」
「…ヒカリはどこに行きたい?」
「そうですね…金魚すくいしてみたいです!」