第5章 学校の七不思議
「…私が世界を滅ぼす力があると…さっきの人は言ってました」
「世界を滅ぼす…?」
「はい」
なんとも子供が考えそうな戯言だ。それにヒカリはそんな力はないと言っている。俺だってヒカリがそんな強大な力を持っているとは思えない。
「馬鹿馬鹿しい…そんなのを信用するな」
「ですよね…ちょっと話したら楽になりましたっありがとうございます、ムラサキさん」
少しいつもの笑顔に戻り、自分もホッとした。いつの間にかこんなにも自分の中でヒカリが大きな存在になっていく。ナイスに言われて気が付いたこの感情…どうしたら、ヒカリに伝わるのか。
「すいませんっムラサキさん、気を使わせたみたいで」
「謝罪はいらん」
「ふふっ」
「何故笑うんだ」
「いつものムラサキさんで安心したって言いますか、ムラサキさんに話聞いてもらえて良かったです」
「…よくそんな恥ずかしいことを…//」
「ムラサキさん?なにか言いました?」
「いやっなんでもない」
ヒカリはよく平気でそんな事を口にする。こっちが恥ずかしくてそっぽを向いてしまう。
「そろそろ、帰りましょうか?」
「そうだな、あんまり遅くなるのも悪い」
ヒカリと一緒に立ち上がり、公園を出た。