第5章 学校の七不思議
この事はムラサキさんに話した方がいいのか…でも、これ以上ムラサキさんに負担は掛けられない。だけど…
「ムラサキさん」
「なんだ?」
「…私の事を怖いと思ったことありますか?」
「?いや、思ったことないな…なんだいきなり」
「いえ…なんとなくです、忘れて下さい」
「…」
《ムラサキside》
さっきからヒカリの様子がおかしかった。いつもなら元気に話をするはずなのに変な質問をされたり、なんだか暗い。
「少しどこかで休むか?」
「…はい」
通りかかった公園のベンチに腰を降ろす。
あの時から元気がない。やはり、あの男になにか言われたのだろう。これくらいなら容易に想像がつく。あの質問と関係あるのだろうか…
「ヒカリ、何があったんだ」
「え?」
「さっきから様子がおかしいぞ、いつものヒカリじゃない」
「そうですか?いつもの私ですけど…?」
「自覚なしか…」
「?」
自然とヒカリに手が伸び、ヒカリの頭を自分に引き寄せる。そしてヒカリの額と自分の額をくっ付けた。
「む、ムラサキさんっ!?///」
「話してみろ…迷惑だとか思ってるなら余計な世話だ、俺は…ヒカリが心配だ…」
「…!!」
自分でも驚くほど穏やかで落ち着いた声が出た。ヒカリは視線を下に向けたまま、コクリと頷いた。額を離してから思った…
俺、なにやってたんだ…!?あんなことしなくても…自分でしておきながら恥ずかしくなってきた。