第5章 学校の七不思議
「自然災害…?」
「そう…君の能力は意思の疎通だ…これが何を示しているか分かるかい?」
「…」
私の能力は意思を持たないもの、喋れないものなどと会話をする事。…まさか、その能力を使って自然災害を起こそうなどと考えているのか…
「有り得ない…それに私の能力は範囲も狭い、どう頑張っても無理に決まってる!」
「それは知ってる、のちのち分かるさ…」
「そんな事の為に私の力があるんじゃないわ!」
ギッと睨む。だが、謎の男性もそれくらいでは身を引かない。仕方なくフードを被る。ここからなら部屋に役に立つものがなくとも廊下の窓から木を呼び出せる。
「能力を使おうってことか…なら」
「っ!!?」
ガッと首を捕まれ、絞められる。
「死なせはしないよ、大事な力の器だからね」
「くっ…ハッ」
息がしづらくなり、目が霞む。確かにミニマムを使っているのに呼び出せない。どうしよう…携帯が鳴っているようだが出られない。
《ムラサキside》
「いない…」
「携帯も出ないな」
三階に来てみたがヒカリの姿が見当たらない。
ガタガタッ
「ん?」
窓が揺れていた。今日は風は吹いておらず、窓が風で揺れるはずはない。窓に近付いてみると木の枝が窓の隙間から中に入ろうとしていた。
「これは…」
ヒカリの能力か…