第5章 学校の七不思議
ナイスくんがパンを頬張りながらそう言った。
「どういうことだ?ナイス」
「この七不思議を起こしてるのはミニマムホルダーだから」
簡単にナイスくんは答えた。確かにミニマムホルダーならこんな事意図も簡単に出来てしまうだろう。だが、なぜこれ以上話を聞く必要はないのだろう。
「今日もきっと何かしら事件を起こしにくる」
「なんで分かるの?」
「ヒカリのは昨日、俺は一昨日、ムラサキはその前…七不思議が起こり始めたのは1ヶ月前からずっとだ」
「…その話、いつ聞いたの?」
「休み時間に磯崎さんにね」
「…」
こういうのは仕事が早い。と、なると…1ヶ月も前から起こり始めた七不思議は今日もくる。でも、いきなり出てくるだろうか。
「でも、いずれ張り込む気だったし、いいだろう」
「じゃあ、今日の放課後から?」
「そうだな」
話が一つにまとまり、ひとまずこの七不思議の話は置いておいて昼を食べる。屋上で仲間と食事をするのも学校ならではだ。
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放課後ー
多くの生徒が帰った後、私達は廊下にいた。
「ナイスは一階、俺は二階、ヒカリは三階」
「分かった」
「見つけ次第、電話してくれ」
ムラサキさんが指揮を取る中、なんだか私は胸騒ぎを覚えた。
それぞれが担当の階に行く。この学校は三階建てであり、私達がいる棟の他に二つ棟がある。三階はシーンと静かで夕日がやけに不気味に見えた。