第5章 学校の七不思議
そのざわめきに目を向けると男子の輪の中に得意気に笑うナイスくんがいた。まさか…
「な、ナイスくん!まさか…」
「おい、ナイス!」
私と同じ事を考えたのかムラサキさんも飛んできた。二人してナイスくんに詰め寄る。
「ったく、使ってないってー」
「ホントだろうな…?」
私は男子が持っていた記録用紙を見せてもらった。ナイスくんの記録は5秒台だった。…これは間違いなく少し使ったのでは…?
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体育の授業をどうにか終えると次は普通に黒板授業。どうやら数学らしい。解けない問題ではなかったので簡単に終了。ナイスくんが黒板に回答を書く際、途中式もなく直接答えを書いた。
「…ナイスくん、凄いな…」
まあ、探偵をやっているからには頭はいいのだろうがここまでとは。
やっとのことで午前の授業が終わり、お昼休みに。ふと携帯を見るとムラサキさんからメールが来ていた。ナイスくんと同時送信で来ており、内容は「屋上に来い」とのこと。
「ナイスくん」
「おう」
ナイスくんと二人で屋上へ。既にムラサキさんは来ており、フェンスを背にして立っていた。
「ムラサキさん、なんですか?」
「お昼がてら情報交換しようと思ってな」
「成る程…」
三人して輪を作り、自分が聞いた七不思議事件のことを話す。ムラサキさんとナイスくんわ私と聞いた話と別でムラサキさんは音楽室でピアノが勝手に響き始める。ナイスくんは理科室の人体模型が一人でに動く。
「ヒカリのだけ随分、妙だな…」
「はい、ムラサキさんとナイスくんの聞いた話は普通にある七不思議ですが、私のだけ…」
「もう少し話を聞く必要がありそうだな…」
「その必要はねーよ」
「え?」