第5章 学校の七不思議
「大丈夫よ、任せて!」
「ホントにありがとうございますっ」
磯崎さんに次の授業は体育だと聞かされ、早速着替えてグラウンドに集まった。
「これから100m走の計測するからなー」
これまた驚き。体育の教師の隣にムラサキさんがいた。どうやら見学で同行しているらしい。女子達はこれまた騒ぎだす。…ムラサキさんは自分が注目の的だと言うのに気がついているのか。
「男女別れてー男子はムラサキ先生、女子には俺がつく」
「えー!!ムラサキ先生、男子の方なんですかー!?」
「変えてよー」
「文句言うなー!」
呆れるしかない。まあ、かっこいい先生の方がいいのは当たり前か。私はこっそり、女子の集団から抜け、ナイスくんのところに行く。
「ナイスくん、あんまり目立っちゃダメだからね?」
「分かってるよ」
「特にミニマム使うのはだよっ」
「はいはい、ヒカリもムラサキに似てきたな」
「…それっていい事?」
さあ?と言う素振りを見せてナイスくんは列に戻った。仕方なく私も女子の集団に戻る。順番待ちをしている間に女子達の会話を聞いた。
「ねえねえ、また"あれ"出たんでしょ?」
「そうそう、今度は保健室だって」
「保健委員の子が後ろから首絞められたって…」
「大丈夫だったの?その子」
「うん、とりあえず休んでるみたいよ」
後ろから首を絞められる?もう、それは七不思議とかではなくてほぼ犯罪行為だ。考えている間に自分の番が来てしまい、走る。タイムはそこそこ。
「うわあ!!?」
「すげぇ!!」
すると男子の方からざわめきが起こった。