第5章 学校の七不思議
《ヒカリside》
「学校の七不思議?」
「そうなんです」
ハマトラ探偵事務所にて突然の依頼人に私も同行した。依頼人は近所の高校に通う女子校生からだった。
「ハマトラ探偵事務所って普通じゃ相手にされないような事でも受けてくれるって!」
「そうだが…」
「学校の皆も怖がって来ない子も出てるんです!」
「それじゃあ、大変ですよね…」
「よし!受けよう」
すると、ナイスくんがやけにヤル気満々で立ち上がった。それに女子校生も嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとうございます!」
「ナイスくん、ヤル気満々ですね」
「全く…こいつは」
ムラサキさんと顔を見合せながら苦笑する。依頼は学校と言うことで私達も高校生に扮して潜入することに。ムラサキさんは歳や身長のことを考えて教育実習生として潜入とのこと。
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「ヒカリ、大丈夫か?俺がいないが」
「大丈夫ですよ、自分の身は自分で守りますし、ナイスくんもいますから!」
「心配しすぎだっての、ムラサキー学校の七不思議なんてそんなに危険じゃなさそうだしな」
「くれぐれも目立つなよ?特にナイス」
「はいはい」
学校を前にしてムラサキさんに心配された。気に掛けてくれるのは嬉しいがそこまで過保護にならなくとも。
「高校生の制服って可愛いですよねえ、着たことなくってちょっとワクワクしてるんですよっ」
「確かに、新鮮だよなー」
「まあ、制服なんて着たことなかったからな」
学校に入り、ムラサキさんは校長室に私とナイスくんは職員室に。担任の先生に教室を案内され、転校生として紹介された。
「佐藤ナイスです、よろしく」
「高橋ヒカリですっよろしくお願いします」
適当に決めておいた名字を名乗り、お辞儀をする。普通の学校に通ったことはなくて新鮮だった。回りには私達と同じくらいの歳の子達がいる。
一方、ムラサキさんはと言うとー
「教育実習生の田中ムラサキさん、かっこいいよねえ」
「あのキリッとした顔立ちがまたいいよねえ」
注目の的だった。
「あ、ヒカリさん、ナイスくん」
「依頼人の…」
「磯崎栞奈(イソザキカンナ)です、大丈夫ですか?七不思議、解決出来そうですか?」