第4章 子供になっても…
強制的にヒカリの家に連れてこられた。ヒカリの家は何回か入ったことはあったが、体が小さいからかさらに大きく見えた。
「あ、お嬢さま、お帰りなさいませ」
「ただいまー」
ヒカリの世話役の伊吹だ。
「どうしたんですか?その格好…」
ずぶ濡れのヒカリを見て伊吹は表情には出さないものの心配そうな声音でタオルを差し出す。そこで俺がいることに気がついた。
「…か」
「どうしたの?伊吹?」
「お嬢さまに隠し子っ!?」
「違うってば!この子、迷子になっちゃったからもう、暗くなるし、今日は泊めようと思って」
「はあ、成る程」
隠し子扱いをされ、自分でも反論したかったがヒカリが否定してくれた。俺にもタオルを差し出してくれた。
「だから、ご飯は二人分で部屋に持ってきてくれる?」
「分かりました」
こういうところを見ると流石、お嬢様と言った感じがする。ヒカリに手を引かれ、二階に上がる。そしてある部屋に入った。その部屋は一度見たことがあるヒカリの部屋だった。
「体冷やしちゃダメだし、お風呂入りましょうか?ムラサキさん」
「あぁ、そうだな……ってまさか、一緒に入るなんてこと言わないだろうな!?」
「え?だって、ムラサキさん、その体じゃシャワーすら出来ないと思いますけど…」
…まさかだった。
こいつは俺と一緒に入ろうと言っているのだ。いや、おかしいだろ!?こんな子供だが俺は男だ、ヒカリはそれを理解しているのだろうか?
「いやいや!ヒカリ、俺は男だぞ!その…」
「大丈夫ですよ、ムラサキさん、私に何もしないでしょ?それに裸見られたくらいでー減るもんじゃないんですから」
何もしない…確かに何もしないが…。…何もしないってなんだ?
「早く入りますよームラサキさん」
「は!?ちょ、待て!離せっ///」