第4章 子供になっても…
「!?」
「ムラサキさんじゃなきゃ…」
こんなに必死になって何故俺じゃなきゃいけないのだろう…
だが、反面、俺も最後までヒカリを守りたかった。どうしてかはまだ分からないがヒカリからは沢山のものをもらった気がする。
「ごめん…」
「ムラサキさん…」
「俺が引き受けた依頼だ、最後までお前は俺が守る」
ヒカリの腕から力が引き、解放される。
「また、依頼って…」
なんだか悔しそうに笑うヒカリの顔があった。
…依頼だから。いつもそう言って片付けてきた。だが、今はそれだけじゃ片付けられないのだ。
「いや…俺自身がヒカリを守りたいと思ってる…」
「っ!」
自分で言って恥ずかしくなる。この気持ちに気が付くのはいつになるか分からないがそれまでヒカリと一緒にいれば早く見つかるかもしれない。
「ふふっそこまでになったんですね、私の存在」
「まあな」
「さっきの台詞、元の姿の時に言えばかっこよかったですよ」
「サラッと台無しにするのやめろ」
いつものヒカリの笑顔に戻った。
「帰りますか、雨もそろそろ止みそうですし」
「…どこに帰るんだ?」
「私の家に決まってるじゃないですかームラサキさん、その体じゃあろくに着替えも出来ないんじゃないですかー?」
「ばっバカにするな!それくらい出来るわ!」
「体も冷えちゃいますし、ここからならハマトラに行くより私の家の方が近いですよ」
「…」
ニコニコ笑顔のまま、来ますよね?と顔だけで脅迫され、仕方なく頷く。最近、ヒカリが強くなっているのは気のせいか。