第4章 子供になっても…
…のだが
突然、爆発音が近くで鳴り響いた。パラパラと天井から砂や石が降ってくる。
「…なんで行くとこ行くとこ事件が起きるんだ」
「確かに…なんか落ち着いて買い物もしてない気が」
4人して呆れながらため息をつく。爆発音のすぐ後にアナウンスが流された。それはこの爆発を呼び起こした張本人からだった。
『あーこの建物は俺たちが占拠した、抵抗するものは容赦しない…外に出ようとしても無駄だ』
それから数分、ダラダラと喋る犯人。こういうのは手短に話すもんだろう。アナウンスが終わり、今度は真っ黒な服を着て顔を隠した犯罪集団が歩いてきた。
「ヒカリ、ムラサキと一緒にここを動くなよ?」
「え?でも、私も手伝うよ?」
「今、この小さいムラサキを一人に出来ないだろ?」
「まあ、確かに」
「こいつらは俺とはじめちゃんで倒すからさ」
「護衛だから」
「…うん、ナイスくん、はじめちゃんお願いします!」
ナイスくんとはじめちゃんは犯罪集団に目を向けるとナイスくんはミニマムを発動。音速の速さを利用し、素早く敵を倒す。はじめちゃんも負けてはおらず、小さい体を利用して敵の懐に潜り込み、鳩尾を打つ。
「流石、ナイスくんとはじめちゃん」
「…」
二人の戦いぶりをムラサキさんは何故か悔しそうに見ていた。
「どうしたんですか?ムラサキさん」
「こんな時になんの役にも立てない自分が悔しい…」
「ムラサキさん…」
俯くムラサキさんになんと声を掛けていいか分からず、繋いでいる手をさらに強く、優しく握った。