第4章 子供になっても…
町中を歩き、前ムラサキさんと行ったショッピングモールに足を運んだ。
「ここら辺ならここが一番大きいかな」
「…」
「…ムラサキさん、どうしたんですか?」
高いビルを見上げながらムラサキさんは眉間にシワを寄せていた。ムラサキさんは私の腰くらいの身長になってしまい、はぐれないよう手もしっかり繋いでいる。
「いつも見てる風景が違って見える…」
「それはそうですよ、背縮んだんですもん」
「ヒカリ、ご飯」
ムラサキさんと話していると先を歩いていたはじめちゃんとナイスくんがこちらに振り返って待っていた。
「ごめん、ごめん」
「はじめちゃんは護衛よりご飯優先だなー」
「護衛もしてる」
中に入り、はじめちゃんが一目散にパフェが並ぶショーウィンドウに走っていった。はじめちゃんはここの特大パフェが前から食べてみたかったと言った。
「完璧、はじめの付き添いだな」
「いいじゃないですか、護衛役してくれるって言ってくれたんですからこれくらい」
「はじめには甘いんだな」
「そうですか?」
店に入り、店員に席を案内させる。四人掛けの席に私とムラサキさんが隣同士、向かいにはじめちゃんとナイスくんが座った。
「私のおごりだから沢山食べていいよ」
「お金持ち、凄い」
はじめちゃんに尊敬の眼差しを受け、少し照れる。自分で稼いでるお金ではないが親が凄いと言われているようで少し嬉しい。