第3章 人探しと再開
《ムラサキside》
「どうしてもムラサキさんの力になりたかったんです!!」
その言葉がなにを示しているのか分からなかった。ただ、ヒカリの目は真剣だった。何故かその言葉が嬉しかった。
「なんで…そんな事…」
「…なんででしょうかね…私にも分かりません…」
照れ笑いを浮かべるヒカリ。
「ただ…ムラサキさんにもっと色んな事話して欲しくて…どんなものが好きだとか嫌いだとか…」
今までこんな風にズカズカと入り込んでくる奴はいなかった。相棒であるナイスでさえ、あまり聞いて来ない。
「なんでだろな…」
「?」
「お前といるのがいやじゃなくなったんだ」
「今までは嫌だったんですね…」
少し残念そうな顔をしながら笑うヒカリ。
その後、依頼人に電話をし、男を引き取ってもらった。その男は犯罪者だったらしく警察に渡す前に…。と言った感じにしたかったらしい。
「私達も帰りましょうか?」
「送るぞ」
「ありがとうございますっ」
ヒカリを見る限り外見は元気そうだが所々切り傷がある。自分が不甲斐ないばかりにヒカリに怪我をさせてしまった。
……ん?
こんなにも俺はヒカリを気遣っていただろうか?今まではただの依頼人だったのに。いつからこんなに気になり始めたのだろうか。