第3章 人探しと再開
「や、ヤバイ…ピンチかも…」
「なんで俺を追い掛けてるが知らねーが…死んでもらおうか!」
なんと言うとばっちりだ。仕方なくフードを被り、回りの皆に呼び掛ける。
助けてー
だが、いつものように動物達が来てくれない。
そっか…ここは私の知らない場所。ここには私に力を貸してくれるものはいない。そう考えてる間にも砂から変化した針が飛んでくる。
「きゃあっ!!」
その針を避けるのが低一杯で反撃を加える事ができない。それに向こうは砂を針に変える。砂はそこらじゅうに沢山腐るほどある。いつのまにか腕や脚に掠めたような傷が出来ていた。
「ハハハッこのまま、なぶり殺してやるよ!」
針の雨が私を襲う。
「イタッ」
脚に痛みが走り、転ぶ。見れば、右脚に針が刺さっていた。
「女をいたぶるのは趣味じゃねーが…苦しまないように逝かせてやるよ」
男性が私を真上から見下ろす。もう、それは人間の目では無かった。悟った…私はここで死ぬかもしれないと。そして追い掛けてきたことを後悔した。ムラサキさんの帰りを待ってから行くべきだったのだ。
ごめんなさい、ムラサキさん…。
針が降り下ろされる瞬間、目をギュッと瞑った。
………あれ?
来るはずの激痛が来ない。ソッと目を開くとあの男性の姿はなくその代わり…。
「ムラサキ…さん…」
「バカか、お前は!」
ムラサキさんに助けられたのだ。あのメッセージに気が付いてくれたのだ。怒られていることを忘れて見惚れてしまった。
男性はと言うとムラサキさんに殴られたのか壁の方で伸びていた。
「立てるか?」
ムラサキさんにそう問われて脚を動かす。痛みは走るが歩けないほどではない。「大丈夫です」と言い、刺さったままの針を抜く。
「全く…お前は考えなしに追い掛けていったのか」
「すいません…でも、これで見失ったらまた探すのに大変かと思ったので…」
「…これじゃあ、護衛の意味がないだろ!なんの為に俺がいるんだ!」
「…どうしても…」
「?」
俯かせていた顔を上げてムラサキさんに言った。
「どうしてもムラサキさんの力になりたかったんです!!」
「!?」