第3章 人探しと再開
「人探しなら私が役に立つんじゃないですか?」
「あのな、そう無闇にミニマムを使うな」
「じゃあ、どんな時に役に立てろって言うんですか?」
「…」
ムラサキさんはしばらく、黙った後ため息をついて「分かった」と了承をくれた。ムラサキさんに口で勝てたことがちょっと嬉しかった。
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いざ、人探しに出掛けた私達。ムラサキさんにどんな人か見せてもらうといかにも犯罪者っぽい顔をした男性が写っていた。
「この人、誰なんですか?」
「さあな、依頼人も詳しい情報は言ってなかったみたいだし」
「ふーん…」
ムラサキさんにはミニマムをあまり使うなと言われたので自力で人、一人を探す。だが、ここは横浜だ。人、一人探すのに二人だけと言うのはいささか、厳しいのでは…。
「いませんねえー」
「そう簡単に見付けられたら苦労しない」
「ですよねー」
町中をキョロキョロと辺りを見渡しながら歩いていく。すると、後ろから声を掛けられた。
「お困りのようね?ヒカリ」
「え?」
自分の名を呼ばれて振り返る。そこにはツインテイルを互い違いに結び、手にマイティを持ったハニーと体が大きい獣のような顔をしたスリーが立っていた。
「ハニー!スリー!!」
「久しぶり」
「久しいな、ヒカリ」
「こっちに戻ってきてたんだね!逢いたかったー!」
思わず、ハニーに抱き付く。ハニーとスリーには昔、助けてもらったことがある。中学生くらいの時、犯罪者集団に人質として捕まったことがあった。警察総出で奪還を試みたが犯罪者集団の約二割がミニマムホルダーだった為、手も足も出なかったそうだ。そこでハニーとスリーに突入してもらい、私は殺されずに済んだ訳だ。
「ちょ、ちょっと!あんまりくっつかないでよ!」
「いいじゃない!久しぶりの再開なんだから!」