第2章 依頼人
私の声にバースデイさんとレシオさんが振り替える。
「お前っ」
ムラサキさんも驚き、振り返っていた。
「おっここんちのお嬢様じゃん」
口笛を吹くバースデイさん。
「失礼だが、こちらは急いでいるんだ」
「分かってる!私が犯人の居場所を探し当てるから待って!」
「?」
バースデイさんとレシオさんは訳が分からないように互いに顔を見合わせる。私はキョロキョロと辺りを見渡し、ムラサキさんの"それ"に目を付けた。
「ムラサキさん、ジャケット貸して!」
「は?何言って…」
「いいから!!」
ギッとムラサキさんに鋭い目線を送ると納得しなさそうな顔をしながらもジャケットを脱ぎ、私に貸してくれた。それを頭に覆うように被る。ムラサキさん、バースデイさん、レシオさんが見守る中、私はしゃがみ、地面に手を置く。
私に力を貸して…!!
キーンと耳鳴りの様な感じを味わった後、私の言葉に答える様に声がした。
『今、大通りを走ってるよ』
『公園の方に進んでるみたい』
『早くしないと逃げちゃうよ!!』
聴こえた!大通りで公園の方と言えば…警察署の前を必ず通る!!
「バースデイさん、レシオさん、犯人は必ず警察署の前を通ります!そこに先回りしてください!」