第2章 依頼人
「え?」
「どうゆうこと?」
ふざけてるように見えているかもしれないが決してふざけている訳じゃない。何故なら…
「私はミニマムホルダーだから」
「嘘だろっ」
驚いたのはムラサキさんだった。どうやら私のことを一般人だと思っていたらしい。
「成る程~」
「分かった」
ミニマムホルダーだと聞いた瞬間、バースデイさんとレシオさんは走り出し、黒い車に乗り込み、あっという間に走り去っていった。
「…」
「…」
ジャケットを頭から下ろし、ムラサキさんを見る。
「ミニマムホルダーだったのか」
「はい」
まだ、信じられない様な顔をしていた。無理もない、ミニマムホルダーはそんなに多くないし、今で一般人だと思っていたのだから。
「黙っていてすいませんでした」
「…謝る必要はお前にはないだろ」
「黙っていたのは事実ですから…」
ムラサキさんがため息をついた。俯いているからか、ムラサキさんの表情は見えない。
「…ヒカリ」
「!!」
バッと顔を上げる。ムラサキさんはめんどくさそうな顔をしていた。
「これでいいか?」
「はいっ!ムラサキさん!」
少しは心を開いてくれたのかな?と思った。
その後、お母さんの指輪は無事、戻ってきた。バースデイさんとレシオさんにもお礼を言い、ムラサキさんにもちゃんとお礼を言った。