第2章 依頼人
「じゃあ、それでいい」
「ふーん…じゃあ、私はモンブラン食べよーっと!」
すいませーんとウェイターに声をかけ、注文をする。注文を聞き終えたウェイターは礼をして下がる。品が来るまで少しでもムラサキさんのことを知ろうと質問する。
「ムラサキさんはなんでハマトラに入ったの?」
「いきなり、なんだ?」
「え?えーっと…ムラサキさんのこと、もっと知りたいなあーと」
「そんな事をして何になるんだ?俺はただ、依頼でお前に付き添っているだけだ、知る必要はないだろ」
「…お前じゃないよ」
「は?」
「ムラサキさん、私のこと名前で呼ばないよね?仮にも恋人同士なのに」
「…あんまり気にすることじゃないだろ」
話している間にケーキが持ち込まれ、テーブルに並べられる。
「私は気にするの」
「何故そんなに構うんだ?ただの依頼人だろ?」