第9章 敵側のふたり
アークエンジェルでは、仲間の通信だと思われる電波をキャッチしていた。艦長であるラミアスは本当に仲間なのか確認する。
マリュ「間違いないの!?」
パル「間違いありません。これは地球軍第一艦隊のパルスです」
ナタル「追えるのか!?」
パル「やってますよ!解析します」
「"こちら...第八艦隊...モンドゴ...レイ...ア...エンジェル応答..."」
マリュ「アルバート准将機関の部隊だわ!」
皆「わぁぁ!!」
みんなその言葉を聞いた途端安堵した声を漏らす。誰も弱音を吐かなかったがやはり誰もが限界を超えていたのだ。
ノイ「探しているのか?俺たちを!」
ナタル「位置は?」
パル「待ってください。まだ結構な距離があると思いますが...」
トノ「だが合流出来れば...」
ノイ「ああ!やっと安心できるぜ!」
その頃、リツカはどこに行こうか迷っていた。もう少しで戦闘が始まるのはわかっているからこそ安心できなかった。
貴方『はぁ...私なんかが出来るのかな...』
ライト「ゲンキダセ!ブサイク!」
貴方『酷!いいですよ〜どうせ可愛くないんで!』
ラク「あら?可愛いと思いますわよ」
貴方『わぁ!び、びっくりした!』
急に声をかけられ後ろを振り向くとそこにはラクスが一人で立っていた。また部屋を抜け出したのだろうか。
ラク「ごめんなさいね。少し貴方に頼みたいことがありましたの」
貴方『頼みたいこと?』
ラク「こちらですわ」
連れてこられたのはラクスとアキラが泊まっている部屋であった。アキラはどこかに行ったのかここにはいない。
貴方『えっと...』
ラク「リツカはなぜそんなに悲しい顔をなさるのですか?」
貴方『それは...』
ラク「貴方はなぜ戦うのです?」
貴方『それは...大切な人たちを守るためだ』
ラク「そう。では一緒に歌を歌いましょうか」
貴方『はい?』
急なお誘いにリツカは拍子抜けした。ラクスいわく、ミリィに歌が上手だと言うのを聞いたのだとか。
貴方『わ、私と歌っていいんですか?』
ラク「わたくしと歌うのは嫌ですか?」
貴方『そんなことはありませんッ!!』
ラク「では歌ってくれますか?」
貴方『はい!』
ふたりの歌声は喜んでいる彼らや落ち込んでいる彼らにも届いていた。