第9章 敵側のふたり
ラクスの配膳をリツカが持ち、アキラの配膳はキラが運んで共に部屋へと歩く。
ラク「またここにいないといけませんの?」
キラ「ええ。そうですよ」
貴方『ごめんなさい窮屈な思いをさせてしまって…』
アキ「いえこちらこそすみません…」
双方悲しそうな顔をする。今ナチュラルとコーディネイターは戦争している。仕方ないことだがやはり悲しいものだ。
ラク「つまりませんわ。ずっとふたりで…私もみなさんとお話しながら頂きたいのに」
ハロ「コンニチハ!」
貴方『こんにちは』
キラ「ここは地球軍の艦ですからコーディネイターのこと…その…あまり好きじゃないって人もいるし。てか今は敵同士だし」
アキ「仕方がないことなのかもしれませんね…」
貴方『悲しいことですね…戦争って…』
ラク「でも貴方方は優しいのですね。ありがとう」
アキ「俺もそう思います。ありがとうございます」
キラ「!!」
貴方『あっ…』
ラクスとアキラの目はまっすぐでこちらの心を見透かしているような感じがする。彼女らの言葉はやはり心が落ち着く。
キラ「僕は…僕もコーディネイター…ですから…リツカはナチュラル…なんだけど…」
ラク「そうですか」
貴方『私もコーディネイターだったら良かったのかな⋯』ボソッ
アキ「・・・(はやり君は俺と同じ⋯)」
彼女の言葉は誰にも聞こえないかと思えばアキラに聞かれていたなんて彼女は思っていなかった。そして彼の正体を明かされる時は近い...