第9章 敵側のふたり
その頃、キラはやるせない気持ちのまま部屋を出る。すると後ろから誰かに声をかけられる。
アキ「キラ」
キラ「えっと...アキラ?」
アキ「うん。そう今いいか?」
キラ「うん」
アキ「一つ聞きたいことがあって」
キラ「聞きたいこと?」
アキ「そう。あの女の子...キラと一緒にいた...えっと...」
キラ「リツカ?」
アキ「そう!リツカ!」
キラ「リツカがどうかしたの?」
アキ「リツカは日本人なのか?」
キラ「え?」
キラはアキラから発せられた言葉に首を傾げる。ニホンジン...聞いたこともない言葉だからだ。彼女がニホンジン?それはなんなのだろう。
キラ「えっと...ニホンジン?ってなに?」
アキ「聞いてないのか?」
キラ「え?それってどういう...」
アキ「いや、これは俺が言っていいモンじゃねぇな...」
キラ「アキラ?」
アキ「それよりさ!お前好きなタイプは?」
キラ「は?」
上手く誤魔化されたような気がする。好きなタイプ?それは好きな女性のタイプを聞いているのだろうか。
キラ「好きなタイプ...」
アキ「そうそう!例えば...ミリアリアとか?」
キラ「ミリィはトールのだからね?」
アキ「あ、そっか。じゃあ目瞑って思い浮かべてみろって」
キラ「思い浮かべる...」
すると、遠くからラクスとリツカの綺麗な歌声が聞こえる。キラはあの時のことを思い出す。
キラ「僕は…僕もコーディネイター…ですから…リツカはナチュラル…なんだけど…」
貴方『それは違うと思うよキラ』
キラ「え?」
貴方『キラは優しいよ。コーディネイターとか関係なくキラはキラ自身優しいんだよ』
ラク「そうですわね。貴方が優しいのは貴方だからでしょう?お名前も教えてくださいます?そちらの方も」
キラ「キラです。キラ・ヤマト...」
貴方『リツカ・セルフィア』
ラク「そう。ありがとうキラ様 リツカ様」
思い浮かべたのは自分のそばに居てくれて優しい言葉をくれたあの子。
キラ「っ!///」
アキ「お?誰思い浮かべたんだ?リツカか?」
キラ「お、思い浮かべてないよ!///」
アキ「うっそだぁ!」
キラ「し、しつこいよ!」
暫くの間アキラに付き纏われるキラであった。