第9章 敵側のふたり
ラク「まぁ驚かせてしまったのならすみません。私喉が渇いて…それに笑わないでくださいね?だいぶお腹も空いてしまいましたの」
アキ「姫が申し訳ありません皆様。失礼を重ねお聞きしますがここは食堂ですか?」
貴方『た、確かに食堂ですけど…』
驚いて声が出ない皆の代わりに返事をする。すると我に返ったキラたちも次々と声を上げる。
ラク「なにか頂けると嬉しいのですれど…」
キラ「えっちょっと待って!」
貴方『わぁ…さすが天然お姫様…』
カズ「鍵とかしてない訳?」
フレ「やだ!なんでザフトの子が勝手に歩き回ってるの!?」
ラク「あら勝手にではありませんわ。私ちゃんとお部屋で聞きましたのよ?出かけても良いですか?って三度も」
アキ「一言余計です姫様」
なんと部屋で何回も聞いていたそうだ。しかし見張りなどはつけていない為勝手にでてきたの出そう。
ラク「それに私たちはザフトではありません。ザフトは軍の名称で正式にはゾルディック・アライア…」
アキ「姫様。彼女が聞きたいのはそういうことではないかと」
ラク「あらそうですの?」
フレ「なんだって一緒!コーディネイターなんだから!」
ラク「同じではありませんわ。確かに私はコーディネイターですが軍の人間ではありませんもの」
確かにコーディネイターだが彼女らはザフトではない。ラクスはフレイを下から上へ観察したあと彼女に問いかける。
ラク「貴方も軍の方ではないのでしょう?でしたら私と貴方は同じですわね。ご挨拶が遅れました私は…」
フレ「ちょっとやだ!やめてよ!」
ラクスはフレイと仲良くしようと握手を求めるがコーディネイターが嫌いなフレイはそれを拒絶した。その瞬間をみんな嫌な予感がした。
ラク「?」
フレ「冗談じゃないわ…私があんたなんかと握手しなきゃなんないのよ!コーディネイターのくせに!馴れ馴れしくしないで!!」
キラ「っ!!」
アキ「お前いい加減にしろ!姫様になんて口の聞き方…!」
フレ「なによ!あんたもザフトのくせに!」
アキ「あ"あ"!?」
貴方『両方そこまでです!!ここは他の方々も居るのですよ!?』
彼女の言葉で皆が静かになる。これ以上騒ぎ立てては迷惑になる。そう思った彼女はとめたのだ。
貴方『本当に申し訳ありません。ここではなくお部屋での食事を私からお願い申し上げます』
