第9章 敵側のふたり
その頃、マリューは次の問題に頭を抱えていた。補給の問題が解決したと思ったら次の問題が舞い込んできたのだから仕方ないことだ。
ムウ「しっかしまぁ補給の問題が解決したと思ったら今度はピンクの髪のお姫様か。しかも青髪の護衛付き。悩みの種が着きませんなぁ艦長殿!」
マリュ「あの子たちもあのまま月の本部へ連れていくしかないでしょうね」
ムウ「もう機構予定はないだろう?」
マリュ「でも軍本部へ連れていけば彼女たちは…いくら民間人でも…」
ムウ「そりゃあ大歓迎されるだろう。なんてったってクラインの娘だ。色々と利用価値はある。あの坊主の方はわかんねぇがな」
マリュ「出来ればそんな目には合わせたくないんです。民間人のあんな少女たちを…」
ナタル「そう仰るなら彼らはこうして総監に協力し、戦場で戦ってきた彼らにだってまだ民間人の子どもですよ」
みんなもう受け入れていたが確かに彼らは巻き込まれ仕方なく戦いに協力した民間人だ。その言葉を聞いたラミアスは顔を顰める。
マリュ「バジルール少尉それは…」
ナタル「キラ・ヤマトやリツカ・セルフィアや彼らをやむを得ないとはいえ戦争を参加させておいて、あの少女たちだけ巻き込みたくない…と仰るおつもりですか?彼女はクラインの娘です。ということは既にただの民間人ではない、という事ですよ」
しばらくの間、彼女らは見つめ合う。ラクスとアキラは確かに民間人である。しかしクラインの人物なのだとしたら普通の民間人ではいかないだろう。