第8章 襲撃
戦闘を終えた僕たちはモビルスーツから降りて自分の部屋に戻ろうとしていた。後ろには心配そうな顔をする彼女がいる。
ムウ「坊主!嬢ちゃん!」
キラ『・・・』
ムウ「どうしたんだ?」
リツカ「今は放っておいてあげてください」
大尉に声をかけられたがそれを無視して横を通り抜ける。後ろから自分を気遣う彼女の声が聞こえる。部屋に入りベッドに寝転ぶと枕に顔を押し付ける
キラ『僕は…』
“君たちは裏切り者のコーディネイターだ”
司令官の言葉が頭に響いて離れてくれない。自分は本当にコーディネイターを裏切っているのか…なぜ自分が戦わなければならないんだと頭の中で叫ぶ
リツカ「キラ?」
ロックをしていなかったのか彼女が部屋に入ってきていた。リツカは僕のベッドに腰掛け、頭を撫でてきた。
リツカ「ごめんねキラ…君ばかり背負わせちゃって…次こそは必ず守るから」
キラは薄らと目を開ける。そこには涙を流し自分の頭を撫でる彼女の姿があった。
ーなぜ君が泣くんだ?
そう聞きたかったが身体が動かないし瞼が重い…彼女はいつもそばに居てくれる。しかし彼女はどうなんだろうか。
ー彼女は戦うことが嫌じゃないのだろうか
ー彼女はなんでコーディネイターじゃないのか
嫌な考えが頭の中を巡る。彼女はそんな人物じゃないってことは自分がよくわかっているはずなのに…
ーいつまで戦わなければならない?
ー自分を卑下する彼らのために命を賭けなければならない?
ああ彼女はいつも自分が欲しい言葉をくれる。自分も苦しいはずなのに悲しいはずなのに自分を慰めてくれる。だから自分はいつも彼女の優しさに甘えてしまう…
リツカ「私がちゃんと強くなるから…君を泣かせないように…私が頑張るから…」
僕が君に無理をさせていたことなんて知りもしなかった。後から後悔することになるなんて誰も思いもしなかったんだ。