第38章 夫じゃない彼に愛されて(凛・冴・カイザー)
糸師冴(凛の妻と)
凛ちゃんとはずっと愛し合って幸せに生きていけると思っていたけど、人生はそう簡単に行くものじゃないみたいだ。一年間、私と凛ちゃんはすれ違っていて所謂倦怠期となっていた。そして凛ちゃんの熱愛報道が出た時もうダメなんだと悟った。
「おい大丈夫か?」
そんな時に心配してくれたのが凛ちゃんのお兄さんであり、私の義兄である冴さんだった。
「愚弟の奴、気を付けろって言ったのに…。🌸、ガセだと思うから気にするな」
『…もしかしたら本当かもしれません。だって、私と凛ちゃん倦怠期で…もう…』
その瞬間ボロボロと涙が零れてしまい、冴さんに迷惑かけちゃうと思い慌てて拭おうとした時冴さんに抱き締められた。
「俺なら泣かせない。凛と同じであんま言葉にはしねぇけどちゃんと愛してやる。俺を選べ🌸」
『冴、さん……』
愛に飢えていたからかもしれない。私は義兄である彼と一線を超えてしまった。冴さんは私が欲しい愛と熱を与えてくれた。
「愚弟なんか捨てちまえ」
『そんな事言っていいんですか…?』
「知らねぇよ。🌸を放っておいて熱愛報道出す弟なんざ」
そう言って冴さんは熱く蕩けるキスをくれる。もう私は寂しくなんかない…冴さんがいるから。
「愚弟、アイツ要らねぇならもらうからな」
「は…?兄貴、何言って…」