第38章 夫じゃない彼に愛されて(凛・冴・カイザー)
ミヒャエル・カイザー(潔の妻)
よっちゃんと倦怠期が続いてもう一年も経っていた。それでも何処かではよっちゃんを愛していたから、よっちゃんが知らない女性に腕を組まれて歩いてるのを見た時は気付かずに泣いていたらしい。偶然会ったカイザーさんに涙を拭われていたから。
「お前にそんな涙はクソ似合わない。世一も馬鹿だな…こんな良い女を泣かせるなんて」
『良い女じゃないですよ…』
「そうか?俺にとってはこうして、チームメイトの妻と不倫関係になってもいいと思うぐらい良い女だと思ってる」
甘美で何処か苦いキスをされながら私は、カイザーさんと一線を超えてしまった。
「🌸、愛してる…。初めて出会った時からずっと」
彼の言葉は蕩けるように甘いけど罪悪感も与えてくる苦さもある愛。そんな愛に私は溺れてしまったのだ。
「🌸。世一とはまだ倦怠期中なのか?」
『だったら貴方と会って無いですよ、カイザーさん。倦怠期終わってたらこうして貴方に抱かれてないもの』
「それもそうだな。そのまま倦怠期が続いて離婚してくれ」
『悪い人ですね』
「お前もだろ」
そう言ってまた私は甘く苦いキスを受け入れるのだ。
「なぁ世一。お前の妻、俺が貰っても別に構わねぇだろ?」
「何いってんだ?お前まさか…」