第38章 夫じゃない彼に愛されて(凛・冴・カイザー)
糸師凛(冴の妻と)
冴とはもう二年すれ違っている。彼は遠征があるからや、もう遅いからホテルに泊まると言って倦怠期というものに突入してしまった。そんな時に冴が知らない女性とホテルに向かう写真が撮られた時に私は泣き崩れた。そんな時に私の傍にいて慰めてくれたのが義弟である凛くんだ。
「義姉さん、あんなクソ兄貴はもう辞めて俺を選べよ」
『待って凛くん…駄目だよ』
「知らねぇよ…。俺はずっとアンタが好きだったんだよ」
凛くんに与えられたキスと快楽は罪悪感と蕩けるような熱であり、そんな与えられたものに私はどんどん溺れていってしまった。夫の弟と不倫関係になるなんて罪悪感しかなかったのに、何時からか私はそんな罪悪感を感じ無くなっていた。
「義姉さん愛してる、ずっとずっと前から愛してる…」
『凛くんは、私に飽きたりしない?捨てない?』
「捨てるわけねぇだろ…!」
なんで冴に出会う前に凛くんと出会わなかったのだろう。そんな後悔が湧き上がりながら後ろから抱きしめてくる凛くんにキスをすれば、凛くんは嬉しげに甘えるように首に顔を埋めた。もう私は凛くんにだけ愛されたらそれで良いんだ。
「なぁクソ兄貴。俺に義姉さんくれよ、良いだろ?弟のお願い聞いてくれるよな」
「…は?」