第37章 夫じゃない彼に愛されて(國神・玲王・凪)
御影玲王(凪の妻と)
誠士郎とはもう無理かもしれないと思ったのは一年も続いている倦怠期中に、彼が知らない女性と楽しげに話しているのを見た時だった。そしてもう誠士郎へとの愛は冷めきった時に心配だからと学生時代からの親友の玲王くんが声をかけてくれた。
「凪と歩いてた女の人ただのマネージャーとは思うけど…」
『もうどうでもいいよ。誠士郎とは倦怠期中だし…多分私の事飽きたかどうでも良いかのどっちかだと思うよ』
と話していると玲王くんは微笑みながら私の手を握ってきた。
「じゃあチャンスってやつかな?コレって」
『チャンス?』
「🌸が俺に振り向いてくれるかもしれねぇチャンス。俺さ、ずっと学生時代から🌸の事好きだったんだ」
そう言ってきた玲王くんは甘く蕩けるようなキスをしてきて、その日私は玲王くんと一線を超えてしまった。彼は誠士郎がもうくれない愛と欲と熱を与えてくれて、私の枯れきってた心を満たしてくれる。
「凪とはまだ離婚しねぇの?」
『うーん…そうだねぇ。もうしても良いかもしれない』
ベッドの下に落ちていた服をお互い着ていれば玲王くんは優しく抱き締めて「二人で幸せになろうな」と囁いてきて私は頷いた。
「凪、もう要らねぇなら🌸を俺にくれよ。良いだろ?別に」
「玲王…それ、なんの冗談?」