第3章 ロールキャベツ男子
ピンポーン……。
今日はおらふくんが俺の家に来る日。よく知った顔を確認し、俺はおらふくんを中へと招いた。
「わ〜、おんりーの匂いだ!」
何回かは来たというのに、おらふくんはいつも新鮮な反応をする。俺がいつも通りだよと返せば、恋人の匂いはいつもいい匂いなんよとさらりと口説き文句を言ってくる。俺の恋人は、イケメン発言が多い。
それから俺たちは、適当な時間を過ごして夕食の時間を迎えた。ここに座っててとリビングの椅子に案内すると、またおらふくんが「かっこいいウェイターさんみたいや」とイケメン発言してくるのでドキリとする。おらふくんの使う言葉さえも惹かれていることに、俺自信も驚き、自覚した。
「ここで待ってて」
おらふくんの言葉にいちいちときめいてしまっていることがバレないように、俺は急いでキッチンへ向かう。それから気持ちを切り替え、材料を取り出した。
今日は前々から練習をしていたロールキャベツを作る。あれって意外と難しくて手間がかかり、すぐには上手く出来なかった。だけど散々練習したからもう出来るはず。いつかどこかでおらふくんが「好物」だと言っていたので、キレイに美味しく作らなくては。