第12章 同僚
「シュウがあんなに優しい顔して笑ってるの
初めて見たから驚いたわ…。」
『え…
赤井さんって普段どんな感じで仕事しているんですか?』
「そうねぇ…いつも怖い顔してるわよ?
少なくともさっきみたいに笑ったりしないから…
きっとあなたは特別なのね!」
特別…
もし本当にそう思っていてくれたら嬉しいけど
きっと赤井さんは私と同じ恋愛感情を持っているわけではないよね?
「ねぇ美緒…間違ってたらごめんなさいね?
あなたは……シュウのこと好き?」
『…えぇ。大好きですよ!お友達としてですけどね!』
「…そう。」
本当の気持ちなんて言えるわけない…
だって私みたいな一般人が赤井さんみたいな人と結ばれるわけがないから。
気持ちを口にする勇気すら私にはない…
私はフラれることを恐れて何もしない臆病な人間だから…
それに未だ赤井さんに聞くことが出来ないでいる明美さんって人…
ジョディさんなら知っているかもしれないけど
赤井さんのいない所で勝手に探るのは悪い気がして聞くのはやめた。
「シュウがあなたを気に入っている理由
何となく分かった気がするわ。あなたとは仲良くなれそうね!」
『!!私もジョディさんと知り合えて良かったです!』
「ふふっ、私はまだもう少し時間があるからお話ししましょ。」
それから私達は1時間ほど会話を楽しんだ。
帰り際にはジョディさんから
困ったことがあれば連絡してね!と言われ彼女を見送った。
ジョディさんも普段仕事で忙しいらしいけど
また時間ができた時にお茶しようと言ってくれて…
この歳で新しい友達のような関係になった女性ができたのがとても嬉しかった。