第12章 同僚
『えーっと…私はただの小学校の教師でして
赤井さんとはその…何度か助けてもらったことがあって
そこからの縁というか…』
「そんなに堅くならなくてもいいわよ!
今日はシュウに頼んであなたがどんな人か一度会って話したかったから呼んでもらったの。休みの日なのにごめんなさいね?」
『いえ!全然!暇したから大丈夫です!』
ジョディさんは見た目はアメリカ人なのにすごく日本語が上手くてとても明るく話しやすい人だった。
ちなみに彼女はもう教師を辞めて別の仕事をしていると言っていた。
…赤井さんの同僚って言ってたから、この人もFBIってことだよね…?
そんなことを聞けるはずもなく…
しばらく3人で話していると
赤井さんのスマホが鳴り、電話に出て少し話すとすぐに通話を切り立ち上がった。
「悪いが仕事に戻らなければならなくなった。
美緒、しばらく仕事が忙しくなりそうでお前の家には行けそうにない。
連絡も取れなくなるから、何かあった時はジョディに連絡してくれ。」
『あ、はい…
食事はちゃんと摂らないとダメですからね?』
「分かってる。…じゃあな、美緒。」
赤井さんは私の頭をくしゃっと撫でフッと笑い
机の上に置かれていた伝票を持ってお金を払った後カフェから出て行った。
『あ、ジョディさん。これ私の連絡先です。』
「え、えぇ。ありがとう…。」
『?どうかしました??』
「…あなたってひょっとして……シュウの彼女なの?」
…。
彼女!?
『なっ…!ち、違いますよ!彼女じゃないです!』
「でも家に行けないって…」
『赤井さんにはお世話になったので
時々家に来て晩ご飯をご馳走しているだけです!
だから決して恋人とかそういう関係ではなくて…!』
一生懸命説明していると
ジョディさんは信じられない…という感じの顔をしていた。