第11章 心緒
『赤井さんは何で飲みますか?』
「そうだな…ロックでもらおうか。」
グラスに幾つかの氷を入れてからウイスキーを注ぎ
赤井さんに手渡した。
「お前は飲めないんじゃなかったのか?」
『飲めますよ?ただ弱いだけです。
だから炭酸水多めのハイボール作ります。』
サッと作り終わった後、赤井さんとグラスを合わせ
乾杯をしてからお互いにお酒を口に含んだ。
「ん、美味いな。」
『良かったです。あ、おつまみも用意しますね?
大したものは作れませんが…』
「そんなに気を使わなくてもいいぞ?」
『私がやりたくてやってるだけですよ。
ちょっと待ってて下さいね!』
私は1人でキッチンに向かい
幾つかのおつまみを用意した後、再びソファーまで戻った。
『お待たせしました。』
「これは?」
『魚肉ソーセージを電子レンジで加熱したチップスです。
簡単にできる割には美味しいんですよ?』
「…本当だな。酒が進む。』
赤井さんは私が作ったおつまみを食べながら
ウイスキーをとても美味しそうに飲んでいた。
あんなアルコール度数が高いライウイスキーをゴクゴク飲めるなんて…
大人だ。
私もハイボールを飲んでいたけど
やはりお酒に強くない為、一杯飲んだだけでほろ酔いになった。
『赤井さん、お酒強いんですね。』
「少なくともお前よりは強いな。」
『…どうせ私は弱いですよ。』
「ふっ…悪い、嫌な言い方した。」
…全然悪いと思っていない顔で言われても
説得力ないんだけどな。
でも赤井さんの笑った顔がカッコ良すぎて
文句を言いたいのに言えない…