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《赤井夢》Happiness{R18}

第58章 褒美


side 赤井






劇場を出た俺と美緒は
隣接するショッピングモールにやってきた。


先程俺が知らない女達に声をかけられたせいで機嫌が悪かった美緒は、ウィンドウショッピングを楽しんでいるようで
もうすでにいつもの明るさを取り戻していた。

洋服店を見てアレが可愛い、これが可愛いと連呼しているが
俺からすればそんな風にはしゃいでいる美緒の方が可愛いとしか思えなかった。




特に買い物をすることはせず、様々な店を回っていると
近くにいた一組の夫婦の会話が耳に入ってきた。




「もう…あの子どこ行っちゃったのかしら…」
「そんなに心配すんなよ、あいつなら大丈夫だって。」
「でももし何かあったら…!」
「落ち着けよ……、じゃあ早く他の所も探しに行くぞ。」



それは明らかに自分達の子供が迷子になったと分かる会話。

俺の隣にいた美緒にも聞こえていたようで
その夫婦達の様子を見ていると、
美緒は繋いでいた俺の手を離し、その夫婦の元に近付いて行った。




『あのー、お話聞こえちゃったんですけど
お子さん、迷子になられたんですか?』

「え…?えぇ、まぁ…」



…やはりこいつは
困っている人を見ると放っておけない性分のようだ。

普段から学校の教師として働いているから
迷子、と聞いたら例え赤の他人の子供でも心配になってしまうんだろう。




『私も一緒に探しますよ。
本当に何かあったら大変ですからね!』

「でも…ご迷惑では…」

『全然大丈夫です!
ここでは時間を潰していただけですし
大勢で探した方がすぐに見つかりますよ!』



本当にこいつは…


人が良くて優しい奴なのは分かってはいたが
俺はそんな美緒を目の前にすると、こいつの良さを痛感し惚れ直しまう…。





「本当にいいんですか…?
ありがとうございます!!」

『いえいえ!
ではお子さんの特徴を教えてもらってもいいですか?』

「えーっと…着てる服は赤のトレーナーと
ベージュのズボンで……これが息子の写真です。」



スマホの画面を見せられると
そこには女性の水着姿に鼻を伸ばしている子供の写真だった。





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