第58章 褒美
そして、その日の夜ー…
「…オペラ座の怪盗?あの有名なミュージカルか?」
『うん…。この前会った穂積さんが
モデルをやってくれたお礼に、ってわざわざチケット送ってくれたの。」
私は現在、工藤邸で赤井さんと晩酌中。
紗栄子と一緒に過ごした後は
元々赤井さんに会いに来る予定だったから
夕食を終え、2人で久しぶりにリビングでお酒を飲んでいる。
…私は甘いジュースみたいなお酒だけどね。
そして穂積さんから貰ったミュージカルのチケットの件を赤井さんに話し、一緒に行こうと誘ってみた。
『このミュージカル、
穂積さんがデザインした衣装を使ってるんだって。
席はボックス席を取ってくれたみたいで…』
「ホォー…それはかなり豪華だな。
だがそれなら俺ではなくお前の友人と一緒に行った方がいいんじゃないのか?デザインの勉強にもなるだろう。」
『私もそう思ったんだけど
紗栄子はこれから少し忙しくなるらしくて…
休み取れないから昴さんと行ってきなよ、って言われた。』
でもきっと紗栄子は
私と赤井さんがデートできるように気を遣ったのもあると思う…忙しくなるのは本当だろうけど、かなりニヤついた顔で言ってたし。
「そういうことなら……一緒に行くか。」
『良かった…!!
あとそれとね、もう一つ貰ったチケットがあって…』
「?もう一つ?」
私はミュージカルのチケットとは別のチケットを
封筒から取り出して赤井さんに手渡した。
「…これは……」
『有名な四つ星ホテルのディナー付き宿泊券…
しかも部屋がスイートルームみたいでさ…』
「いくら何でも豪勢すぎではないか?」
『私もそう思って
紗栄子に受け取れないって言ったんだけど…
私がこの前着たウェディングドレスが
どの企業にも好評ですごく売れてるらしいから
遠慮する必要はないって…』
「当然だな。
モデルが最高に綺麗だったからそれは頷ける。」
『…。』
…顔写ってなかったから
モデルが私じゃなくても別に関係なかったと思うけど…?