第57章 綺麗
『私が言わせた感じになってない…?』
「そう思うなら何度でも言ってやる…
ずっと見惚れてしまうほど綺麗だった。」
見惚れてたって…赤井さんが私に…?
そんなの全然気づかなかったよ…。
「撮影現場に入って来たお前を見た時
あまりの美しさに息をするのを忘れていたくらいだ。」
『っ、そんな…私よりドレスの方が綺麗で…』
「確かにあのドレスも綺麗だったが
それを着ている美緒はより綺麗だった。」
…こ、こんなに何回も綺麗だって言われるのは
流石に照れる!!
言ってくれるのはもちろん嬉しいんだけど
顔を見ながら真面目な表情で伝えてくる赤井さんにドキドキして……
この心臓の鼓動が赤井さんにも聞こえちゃいそうだよ…
「美緒」
『?っ、…ん…』
名前を呼ばれて視線を合わせると甘いキスをされて…
そのキスは少しずつ激しくなり
赤井さんの舌が私の舌と濃厚に絡み合った。
『んんっ……はぁっ、…ぁ…』
「っ、美緒…抱かせろ…」
キスの合間に赤井さんは綺麗な翡翠色の瞳で私を見つめていて、その瞳は何度も見たことがある欲に溺れそうなものだった。
『うん…抱いて?赤井さ…、っ…!』
赤井さんは私の返事を聞くといつものように軽々と私を抱き上げ
寝室に向かって歩き出していた。
『いつも思うんだけどさ…私重いでしょ…?』
「お前のどこが重いんだ、
大体45キロなんて平均体重よりかなり下回っているだろう…頼むからもう少し太れ。」
『やだ、よ…太ったら赤井さんに
抱っこしてもらえなくなっちゃうじゃん…』
「俺はそんなヤワじゃない。美緒がどれだけ太っても
こうやって抱き上げて運んでやる…寝室にな。」
『っ、ばか…赤井さんのえっち…』
「俺がこうなるのはお前にだけだ。」
その言葉にドキッとしたところで寝室に到着し
扉が閉まるのと同時に私は抱っこされたまま
自分から赤井さんにキスをした。
『どんな赤井さんも…すごく好き…』
「っ、犯されたいのか馬鹿。」
赤井さんになら何をされてもいい…
口に出して言うのは恥ずかしくて
心の中でそう思っていると、私の体はベットに下ろされていた。