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《赤井夢》Happiness{R18}

第57章 綺麗




『えっと…心配かけてごめん…
あのね、本当に大した事じゃないんだけど…』

「ん…大丈夫だ。」


赤井さんの方に顔を向けると優しい顔で微笑んでくれていて…私の話を聞いたら呆れられる表情に変わっちゃうかも…と不安になったけど
ちゃんと話してモヤモヤを晴らそうと思い、私は意を決して赤井さんに尋ねた。





『私のウェディングドレス姿…どう思った…?』

「どうって…それは…」

『赤井さん…似合ってるとは言ってくれたけど
子供達みたいに綺麗だって言ってくれなかったから…』

「…お前……だから元気が無かったのか?」

『私だって…その…1人の女だもん…。
あんなに素敵なドレス着たんだから
綺麗だって思われたいし言われたいよ…。
好きな人である赤井さんには…特に…』



恥ずかしさに耐え忍ぶように
膝に置いている自分の手をギュッと握り締めながら話した。

でも…
こんな事を思ってた私を面倒くさいと思われたらどうしよう…


不安になりながら赤井さんの返事を待っていると
私の体は赤井さんの腕によってキツく抱き締められていた。



『っ、赤井さん…苦しい…よ…』

「…俺があの場でお前を綺麗だと言わなかったのには
理由があるんだ。」

『えっ…?」

「お前のウェディングドレス姿なんて
見るのは初めてだろう?だから…
沖矢昴ではなく、赤井秀一の時に言おうと思っていた。」

『っ…!!』

「俺自身の時に言った方が
本当に綺麗だと思っているとお前に伝わる気がしてな…?」



赤井さん…そんな事考えていたんだ…


素顔の時にちゃんと言おうとしてくれていたのに…
私って本当に馬鹿だ…。




「だがそのせいで美緒を凹ませてしまうとは思わなかった…
悪かったな。」

『そんな…!赤井さんは悪くないよ!!
私が勝手に…落ち込んでただけで…』


「いや、お前の女心を理解してやれなかった俺が悪い。
…改めて言うが、







…ドレス姿、綺麗だったぞ。」



『〜〜〜っ…!』



抱き締めていた腕を緩めて
私の顔を見ながら綺麗だった、と言ってくれた赤井さん…



目を合わせながら伝えてくれたのが嬉しすぎて
胸が苦しいくらいに締め付けられる感覚がした。




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